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生物も疎らな死砂の大地、全てを押し流す流砂の大河となにものも侵食してしまう荒れ狂う流砂の海のこの星は、銀河半世紀ほど前は人類はもとより知的生物など住むこともかなわない空虚の星だった。

AL銀河の中でも辺境に位置する暗陽系の第4惑星であるこの惑星レソルは、その名の元となった神話の神の憂鬱な横顔のように蒼褪めた星であり、放射性活性鉱砂の毒々しいまでの青い海に浮かぶ暗い双眸にも似た二つの黒い死砂の大陸しかなかった。

この屍のような星の何人も近寄らせなかった流砂の使い道に、サレンの遠い先祖であるDr.ゾレンが狂信とも思える勇気を持って降り立ったのがこの星の歴史の始まりである。

恒星間移動艇の外装をも侵食し溶かしてしまう狂砂の大海原に削られることなく浮かぶ大地にヒントを得て、研究が始まったのだ。

幾年もの失敗の後に、死砂をもとに合成されたセラミカルポッドの開発に成功し持ち運び不能だった流砂を万能溶剤として使う道を切り開いたのだった。

あらゆる合金あらゆる物質を溶かす溶剤は銀河中に恩恵をもたらし、ゾレンは莫大な富を得たが、そのまま僅かばかりの親族とともにこの星にとどまり研究を続ける余生を過ごした。

揮発することなく変わらぬ溶性を続ける流砂の利益に目をつけた大手のコングロマリットであるLXXなどは、ゾレンの開発したセラミカルポッドに変わる物の研究に着手を始めたが、約300デイズでその溶性の元となる放射性物質を失ってしまう流砂の特性に気づき断念してしまった。

その利用性に銀河中が乱舞し流砂が多くの産業に不可欠になってしまった間に、帝国の名において全ての流砂の採掘権はゾレンとその一族が牛耳ることとなっていた。

そして一族の繁栄は侵されることなく半世紀が過ぎていったのである。
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