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09/11/2012    滅びの法則  1

「どう?お兄ちゃん、何か食べる物あった?誰か生きてる人いた?」

「此処のブロックにはヒトなんていなかった…食べれるモノもなかったよ」

「そうか…がっかりだね」

「…悠斗、お腹すいてるかもしれないけど、次にゆこう」

「必ずにいちゃんが、オマエを助けるからな」

「うん」

疲れきった顔をして、精一杯の返事をした弟になんとか笑みを返し、オレは其の手をとって次のブロックへと歩き出した。

先程の言葉に嘘はなかった。

ヒトはもういなかった。

食べれそうなモノなどなかった。

オレが眼にした光景は、そんな生易しいモノではなかったのだ。

おそらく仲間内で殺し合ったとしか思えない光景。

其の凄惨な景色の中で、唯一の生き残りだろうか?ソレが周りの散らばった死体にかぶりつき、黙々とソレらを喰らい続けていた。

あんなのはもうヒトじゃない。

あんなものはとても食べれない。

怒りのあまりソレを惨殺し、他と共に埋めちまった。


でも悠斗のためにいずれ、このオレさえも…。

そんな考えを振り払い次へと向かう。

この閉鎖された巨大な空間に、あとどのくらい食料はあるのだろうか?

理性的な人間は生き残っているのだろうか?

助けは?出口は?

考えたくもない思いがとりとめなく湧きあがる。

それでも、そのころはまだ幼い弟のためにオレは、この地獄のような世界から逃げ出そうと虚しい思いに囚われていた。


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09/17/2012    滅びの法則 2

数ヶ月ほど前にこの小さな島国は、未曾有の大地震に襲われた。

おそらく400年あまり続いたであろう東の都は、再び完膚なきまで叩きのめされ、周辺地域までを揺るがす長期の余震にただの瓦礫の地となった。

後で知ることとなるが、リスクを分散していなかった愚かな主権者どもはその時に大概死に絶えることとなっていた。
そのうえ数ヶ月たったのち僅かに残ったその愚者どもの生き残りが打ち立てた暫定的な政府は復興をあっさりと諦め、広域な立ち入り禁止地区とこの地を定めたらしい。

俺たちは見捨てられたのだ。

この国に。カミに。未来に。

それでも奇跡的に生き残ってしまった俺たちは僅かに残された食料と水を求め、瓦礫の地表を彷徨いところどころ埋まった地下街を巡り、必死に生き延びようとしていた。

その生き延びようとする足掻きが、滅びの道にと繋がってしまうことに気づきもしないまま。
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